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2005/11/21 11月
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イタリアの職人芸 べスパ50S | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「ボルト折れの修理はできますでしょうか?」 と電話がかかってきました。 「電車で行くとどの駅で降りればいいんでしょうか?」 「小田急江ノ島線の桜ヶ丘です」・・・んん!? 電車? バイクで来ないと修理できないのでは??? 車種はべスパ50S 聞くと、お客さまは、シリンダーとエキパイを止めるスタットボルトをねじ切ってしまったようで、シリンダーヘッドのみをかばんに詰めて来店です。 現物を見るともうほとんどねじの頭がありません。 自分でバイスプライヤーで残ったねじ山を挟んでまわしてみたり、タガネとハンマーでたたきまわしてみたりしたそうですが、全く動かなかったそうです。 いろいろな挑戦の後が崩れてしまったねじ山からうかがえます。 うーん、これはさすがに無理かもしれない・・・・ 電話をいただいたときは 50Sのシリンダーだし最悪は交換にした方が安く上がるかも、という考えがちょっとあったのですが、なんと、お客様が持ってきたのは新品のシリンダーでした。しかも100cc。ボアアップして、最後の最後マフラー取り付けのときにねじ切ってしまったんだそうです。 このシリンダー2万円以上します。 この時点で「最悪の場合」という選択枝はなくなりました。 なんとしても、ねじ切ったねじを取り外さなければなりません。 頭が出ているのはほんの2mmほど、しかもぐちゃぐちゃ・・・ もうバイスプライヤーでも挟めません。 ぐちゃぐちゃになったねじ頭を、サンダーで綺麗に整えます。 折れたボルトの中心にポンチを打ってボルトのちょうどセンターに2.5mmの穴を開けます。 逆ねじのエキストラクターという工具をその穴に突っ込んでまわしてみます。
ぜんぜん動きません。 エキストラクターが折れちゃうとそれこそ大変な作業になってしますので、 今度は3ミリのドリルで先ほど開けた穴を広げます。 ワンサイズ大きなエキストラクターで再挑戦! これもぜんぜんだめ・・・ あんまりにも動かないもんだから、もしかしてねじ込むときに斜めに入れたのではないかと思って聞いてみると、やっぱりそうでした。斜めに入ったボルトを力ずくで入れちゃったみたいです。 このパターンはやぱいパターンです。 ちょっと汗 うーん、どうしよう・・・ 5ミリのドリルで穴を開け、6ミリのタップでねじ山を切りなおす作戦に出ました。 これはうまくいきました! あーよかったよかった!危うく2万円もするシリンダーの交換になるところでした。 でもまあ、もう一個最後の手段があったんですが、奥の手を使わずにすみました。 それにしても、一番驚いたのは、そのお客様がべスパに乗る前は全く整備のことを知らなかったということです。べスパのために工具を買い情報を集め、自力でエンジン分解です。クランクも割ったそうで、特殊工具も買ったそうです。 しかも!! マニュアルなしでぶっつけ本番! 男ですねー べスパ50s ものすごくシンプルなバイクですが、 国産車や最近のべスパにはない 「イタリアの職人」魂がこめられたバイクです。 それに魅了され突き詰めていくべスパ乗り。 「もうほかのバイクには乗れません、 って言うかもう引きかえさません(^^)・・・」 と冗談交じりでおっしゃってました。 困ったことがあったらまた(今度はべスパで)来店ください おまちしていまーす。 |
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