もうバイク業界に携わって何年によることでしょう。
かれこれ１３年くらい経ちますが、
バイクはどんどん進化していきますし、
新しい発見は尽きることがありません。
大方の修理と言うのは一定のパターンにはまるのですが、
ときどきそのパターンから外れた故障に出会います。
先日リアホイールベアリングの交換をしたＴＳ125Ｒが、
わずか１週間くらいでベアリングのガタが出ました。
新品のベアリングに交換したばかりです。
それがわずか１週間でまたガタができきたんです。
「そんなばかな・・・・」
再び来店してもらって点検してみると
確かに右側のベアリングにガタが出ていました。
とても走れた状態ではありません。
通勤で使っているバイクと言うこともあり、
とりあえず程度の良い中古ベアリングに打ち変えました。
しかし、
新品のベアリングがたった１週間で逝ってしまう原因をしっかり
探らなければ、何回ベアリングを打ち変えても
まただめになってしまいます。
どこかに必ず原因があるはずです。
逝ってしまうのは右側のベアリング。
無理な力がかかっている可能性が大きい。
普通のボールベアリングですので、
縦方向からの力には強いですが、
横方向の力に大しては強くありません。
たった１週間でぶっ壊れるんですから、
そうとう無理な力がかかっているはずです。
たぶん横方向。
アクスルナットをきちっと規定トルクで締めこむと
リアタイヤの動きが渋いです。
すこし緩めると抵抗がなくなります。
スイングアームとカラーの隙間がちょっと多いような気もしますが、
ま、これくらい余裕のあるバイクもいいっぱいあります。
うーん。。。。
なんでしょう？？
仕方がないので、
ベアリング左右
ダストシール左右
ベアリングの間に入るスペーサー
ベアリングとスイングアームの間に入るカラー左右
を注文することにしました。
つまり、リアアクスルに入っている間のもの全部です。
新品パーツと現車のパーツを見比べて見ることにしました。
すると
ありました！！
１週間でベアリングが逝ってしまう原因が！！
原因はこれ↓
ベアリングとベアリングの間に入るスペーサーです。
右が現車についていた物
左が新品のスペーサーです。
約１ｍｍくらい長さが違います。
こんなのは見たことがありません。
新品のスペーサーを組み付けてみると、
アクスルナットをきちっと締め付けてもＲホイールの動きも
悪くなくなりました。
スペーサーが約１ｍｍ短いために
アクスルナットを規定トルクで締め付けると
ベアリングの横方にテンションがかかり、
ベアリングレースが削れてしまったんですね。
ではなぜスペーサーが短くなったのか？
ベアリングにガタが出て
ホイールが暴れながら回転し、
スペーサーに打撃を与え続けたためと思われます。
しかも相当長い間ベアリングのガタが出ていた状態で
走り続けなければ、スペーサーは１ｍｍも削れません。
バイクは１個のパーツが悪くなると、
それに関連したパーツも壊れていきます。
人間とおんなじで、
片足を怪我して歩き続けると、
腰を悪くしたり、肩がこったりします。
同じなんですね。
故障を放置すると
診断も時間がかかりますし、
その分費用もかさみます。
故障は放置せずに気が付いたところは
なるべく早く修理してあげてください。
結果的に安く済みますし、
何よりも安全に楽しくオートバイに乗れます。
楽しいからこそのオートバイです。
ツーリングやレースはもちろん、
通勤であっても
バイクに乗って風を切って走る気持ちよさは
同じです。
そのためには日常メンテナンスと
日々の点検です。
そして、億劫にならず、
きちっと直してあげることです。
安全で、そして楽しいオートバイライフを送れるように
しっかりメンテナンスしましょうね！
今回も勉強になりました。
いやー、バイクって本当に奥が深いですね。
では！
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