米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)が27日、
日本の国債をAAからAA-に格下しました。
ま、当然です。
AA-は中国と一緒です。
ちなみに各国の国債信用格付けは
AAA 米国、英国、スイス、ドイツ、フランス、カナダ、豪国
AA スペイン
AA- 日本、中国、台湾、クエート、サウジアラビア
A+ イタリア
A アイルランド
A- ポルトガル
BB+ ギリシャ
となっています。
GDPも中国に抜かれることが確実視されていますし、
長期国債の格付けもあっけなく抜かれることでしょう。
さて、菅さんの「疎い」発言の揚げ足取りに
貴重な国会の時間を割いている場合ではありません。
借金大国日本の国債残高は
来年には1000兆円に達しようとしています。
今まで国債の信用度があったのは
国民の預貯金残高が赤字国債の受け皿となっていたからですが、
あと2年もすると、赤字国債発行残高と国民の預貯金残高が
逆転ですというデータもでています。
全国民の預貯金をすべて使っても国の借金が返せなくなるのです。
このプライマリーバランスが崩れると
AA-どころの騒ぎではありません。
大胆な財政改善策をあと2年以内に打ち出さなければ、
日本もギリシャのように破たんです。
消費税の増税は確実。
ですが、
自分の身も切らないで
国民から税金を吸い取って財政改善をしようとしても
反発が大きいでしょう。
かつて消費税増税を唱えた人は
すべからく選挙で致命的な打撃を受けています。
消費税増税をしてもなお
国民の支持を得るためには
まず身を削らなければなりません。
ちょっと前置きが長くなりましたが、
今日はここからが本題です。
国家公務員の平成14年から19年の過去6年間の平均年収推移を
見てみますと
平成 |
平均年収(単位万円) |
14年 |
698.2 |
15年 |
679.0 |
16年 |
656.7 |
17年 |
659.6 |
18年 |
659.1 |
19年 |
662.7 |
となっています。
平成14年から16年にかけて減少していますが、
その後は横ばい状態。
ここで平成14年から21年にかけての
サラリーマンの平均年収を見てみると
平成 |
サラリーマンの平均年収
(単位万円) |
14年 |
439 |
15年 |
437 |
16年 |
435 |
17年 |
437 |
18年 |
435 |
19年 |
437 |
20年 |
430 |
21年 |
406 |
平成19年にわずかに上昇しましたが、
ここ9年間サラリーマンの平均年収は基本的に減少の一途です。
国家公務員と民間サラリーマンの平均給与額には
なんと200万以上の開きがあります。
国家公務員の給与は実質、
人事院勧告によって決められているわけですが、
人事院も国家公務員ですから
不利なデータは取りません(きっぱり!!)
上場企業の給与体系を参考にしているのかと思えば、
上場企業の平均年収589.3万円ですから
なお70万円もの差があります。
おかしな話です。
日本の99パーセントは中小企業ですから
大企業の給与データだけをとっても全く意味がありません。
また、
国家公務員数は平成19年度で約30万人です。
民間サラリーマンの平均給与と国家公務員の平均給与の差が
200万円とすると
30万人×200万円=6000億円!!
はい、6000億円の減額。
さらに、地方公務員の平均給与は728.8万円ですから
民間サラリーマンとの格差約300万円!!
そして地方公務員数は約300万人
300万人×300万円=9兆円!!
はい、なんと9兆円の減額
国家公務員と地方公務員を民間サラリーマンと同等の
給与体制にするだけで、10兆円にも迫る歳出削減が可能です。
「大胆すぎる!!」との批判もあるでしょうが
ここまでやっても国家の税収より歳出の方が多いのです。
税収は約40兆円
歳出は約90兆円です。
上記のように10兆円減らしたとしても
まだ毎年あと40兆円たりません。
これが現実です。
ここまで大胆に公務員の給与を減らして(民間と同レベル)
かつ、それでもまだ足りませんから
消費税を10%にしてください。
と言うくらいでなければ、
国民の理解は得られません。
増税も結構ですが、
まず身を削って、一般の民間サラリーマンの気持ちを
理解してほしい。
小さな町工場の社長さんは
自分の給料をもらえなくても
従業員に給料払うために
死に物狂いで仕事をしています。
「死に物狂いの財政改善策」を
国民に感じされることが出来ないまま
消費税増税をしようとしても
過去に増税を唱え失脚していった人たちと同じ道をたどります。
国債残高が国民の預貯金総額を越える前に
恐ろしいほどの改革をしなければ、
ギリシャのようになりかねません。
猶予はあと2年足らずです。
あと2年でプライマリーバランスが崩れます。
私は消費税10%歓迎です。
ただし、国家公務員、地方公務員の平均給与を
一般サラリーマンの平均給与まで下げるのが条件です。
今、生まれ出た新生児たちのために
今、幼稚園に通う子供たちのために、
今、小学生、中学生、高校生の青少年のために
今、大学生の未来の担い手のために、
未来の日本のために
今大人が出来る選択肢があるうちに
抜本的な改革が必要です。
今日はシリアス店主でした。
おしまい。
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