さて、昨日の日記「日本の将来を考える」で↓
http://www.thebikeman.jp/nikki/2011-10-23.html
移民導入についてちょっとだけ触れたわけですが、
歴史的に今まで大規模な移民を受け入れたことのない日本で
果たして移民が成功するのでしょうか?
ご存知のように移民にはさまざまな問題をはらんでいます。
今まで日本が経験したことのない
人種問題、宗教問題、文化、偏見、
移民制度を導入している国では
大なり小なり、どこでも起きている問題です。
これらさまざまな問題を日本人が乗り越えられるか?
まったくもって未知数ですが、
少なくても今のままではおそらく移民制度は失敗に終わるでしょう。
それは、いままで人種の壁というものを
日本人が全く経験していないからです。
また、異端に対して異常に過敏です。
人と違うことをすると、いじめられたり、
つまはじきにされてしまいます。
人と違うということに対して寛容な社会でなくてはならない。
長所と短所とお互いに補完しあって
助け合える社会が理想です。
まず大前提
移民してくる人達は日本に移民することでより幸せになれる、
ということが絶対条件です。
ついで、移民も元来日本に住んでいた日本人も
全く同じ日本人である、という意識が必要です。
この2つは絶対条件です。
移民制度は奴隷制度ではありません。
低賃金の労働に長時間従事させて
高賃金の職にはありつけない。
もしこんな状態だと誰が日本に住みたいと思うでしょうか?
移民してきた人達が笑顔で楽しく幸せに暮らせること
そして、お互いの長所と短所を補完しあって
お互いが幸せになることが成功する移民制度の最大の要素です。
「となりの芝生は青く見える」や
「人の不幸は蜜の味」など、
こんなフレーズがあるくらい、
ついつい人と比べて
自分の幸不幸を判断しがちです。
誰かが幸せそうにしていると、
ああ、自分はあの人と比べて不幸だと感じたり、
誰かが不幸になると、何故か安心したり、
誰しもが持っている感覚なのかもしれませんが、
これが、他人ではなく、
もし自分の親や兄弟、親戚などの場合どうでしょう?
違った感情が出てきませんか?
自分の親や兄弟、親戚などが、
不幸になったとしたら気持ちのよいことではありません。
逆に、親兄弟や親戚が幸せに暮らしているのを見ると
とても安心です。
移民で日本に来る人達は
低賃金の労働者として日本にくるわけではありません。
日本で幸せに暮らすためにくるわけです。
移民として日本にやって来た人達を
同じ日本人として、自分の家族として
受け入れる寛容な心が必要です。
隣の芝が青くなければ、
自分の庭にも若葉はやってきません。
理想論という人もいるかもしれませんが、
移民制度が成功するためには必須だと私は思います。
次に文化・宗教を理解することもとても重要です。
文化や宗教の違いから起こる戦争は有史以来あとを絶ちませが、
この文化・宗教の差を理解するが
何よりも一番難しいかもしれません。
まして、島国日本は隣国と海で隔てられているわけですから、
歴史的にも他文化他宗教に接する機会が圧倒的に少なかった。
いきなり移民の文化・宗教を理解しろなんて
到底できません。
日本に漫然と住んでいても
実際に外人に触れる機会はものすごく少ない。
空港に勤めている人や外資系に努めている人、
米軍基地で勤め散る人など、
ごく一部の人達を除いて、実際に外国人と話すことは
日常生活でほとんどありません。
日本で暮らしていても
他文化他宗教に触れる機会はほぼ皆無です。
何かアクションを起こさなければ、
永遠に他文化他宗教を理解する機会は得られません。
そんな状況の中で他文化、他宗教を理解するためには、
まず日本人自身が外国に行って
移民の立場になってみる、というのが
他文化他宗教を理解する一番の近道だと思います。
外国に行ってみることです。
自分自身が異国で「外人」になってみる。
今はいろいろな拒絶反応を起こしそうな移民ですが、
例えば、高校を3年制から4年制にかえて、
1年間は外国で過ごす。
1年間外国で過ごさなければ、卒業できない、とか。
少なくても1年間、できれば3年間くらいは外国で
暮らしてみる。
感受性の高い若い時期に外国での生活を経験することで
自分が「日本人」であること、
また、外人がどう扱われ、
日本が戦争中何をしてきたのか、
外国にいると日本にいるときよりもよく分かります。
そういったことを実際に自分自身の体で体験することが
移民を理解する最善で最短の近道です。
高校4年制(内1年は外国で過ごす)という制度を
30年も続ければ、移民制度導入に対しても
拒絶反応をする人は減ります。
移民がどう扱われるのか
良くも悪くも自分自身が海外で過ごすことで
移民の気持ちが少なからず理解できます。
今の若い人はあまり海外旅行にも行かないみたいですし、
アウトドアーよりインドアーなものばかりが流行ってます。
ネットで知識は得られますが、リアルな感情は得られません。
この辺を打破して、外へ興味を持ってもらうためにも
高校4年制は良いんじゃないかなぁと思います。
外国へ行く費用は国が補助。
この制度を30年続けるためには
そうとう費用がかかりますが、
移民制度が成功すれば、
少子高齢化で起こるさまざまな問題を解決できます。
攻めに税金を使うのか
守りに税金を使うのかの差です。
移民が日本に多くなると、
いろいろな利点も出てきます。
例えば、TPPに参加するとなると、
日本の企業が海外に進出していきやすくなるわけですが、
実際に現地出身の移民の人がその企業にいるだけで
より正確なマーケティングができます。
日本でしか過ごしたことのない日本人も
勉強すれば現地の知識は得られますが、
圧倒的に理解度が薄くなります。
実際にその地で暮らしていた移民の人の方が
より深く宗教・文化を理解していますから
より正確なマーケティングが可能ですし
現地とのコネクションも採りやすい。
海外へ進出する企業にとっても大きなメリットとなります。
TPPに限った話ではありませんが、
全く同じ理由で
日本がコスモポリタンな社会を形成し
多くの移民を受け入れることで
世界への進出が容易になります。、
日本が世界で生き残っていくためには大きなメリットです。
また、
同じ日本人として移民を受け入れるわけですから、
当然国民健康保険も年金も加入者が増えます。
逆ピラミットになっているアンバランスな人口構造も改善。
これから団塊Jr世代もどんどん年老いていく中で
若い人達の負担は急速に増えるばかりですが、
そのへんの改善が見込めます。
移民制度を成功させるためには
安い賃金の労働者として移民を扱うのではなく、
長所と短所を補いながら共に成長していくという
心構えが必要なんだと思います。
今の日本の雰囲気ではなかなか難しそうですが、
上記に上げた高校4年制など教育制度の改革で
成功する移民制度が導入できると思います。
日本人の心構えが整うまで30~40年かかりますが、
他文化・他宗教が隣同士にある大陸で
幾度も戦争を繰り返すことで得られた
他文化に対する許容力や理解力を得るためなら、
30年なんて短いくらいです。
移民による日本の復活には時間がかかりますが、
内需を伸ばし、さらにTPPなど外需を取り込むためにも
移民は日本にとってメリットがいっぱいです。
今の政府は移民に対して大きくアナウンスしていませんが、
なかなかいい手だと思うんですけどね。
どうなんでしょう?検討しているんでしょうかね?
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