特定秘密保護法は既に成立していおりますので、
内容については、前回、前々回などの日記に委ねますが、
今後は運用を如何に適正に行っていくかということに
議論が移ってくると思います。
法案成立直前に突然矢継ぎ早にできてきた
「情報保全諮問会議」
「情報保全監察室」
などが、適正に働いてくれることを祈るばかりです。
ま、秘密保全の観点からすると、
いわゆる第三者機関がチェックするにしても
秘密情報拡散につながる恐れがありますので、
内閣内部の機関となることは間違いありません。
内々の機関でで如何にチェック機能を果たせるか？
法案成立のドタバタ劇で
安倍政権の支持率は間違いなく落ちているでしょうから、
このチェック機能で如何に国民を納得させられるのか？
が今後の安倍政権の最大のターニングポイントとなるでしょう。
さて、上記文章の中で、私も「国民」という言葉を使いましたが、
新聞やメディア全般でもこの「国民」という言葉は頻繁に使われます。
国民とは日本国籍を持つ全ての人を指すわけですが、
先日の読売新聞で、
初代内閣安全保障室長・佐々淳行氏がコメントを載せておりました。
その中で、「普通の国民が対象となることはない」と話しておられました。
「普通の国民」とは何か？？
ひるがえって、普通じゃない国民とな何か？？
なんとも排他的で差別的発言だと私は思います。
秘密情報を取り扱う民間人は適正評価で
・スパイやテロとの関係
・犯罪・懲戒歴
・精神疾患
・飲酒の節度
・借金など経済状況
・親・兄弟姉妹・配偶者などの「国籍（旧国籍含む）」
などが調査されます。
政府が医療機関に診断書の提出を求めたとき
提出義務がある、というのが政府の見解です。
医療機関は医者と患者の信頼関係が崩壊しかねないと
反発していますが、
ま、提出することになるでしょう。
適正評価をパスすると
「普通の国民」としてお墨付きが付くわけです。
犯罪歴のある方！
配偶者が外国人の方！
精神疾患のある方！
たまに飲みすぎてしまう方！
経済状況が悪い方！
は普通じゃない国民です、と言っているかのようです。
国会議員の１/３は特定秘密保護法に反対、ないしは慎重審議を
求めていましたので、
国会議員の１/３は普通じゃない国会議員？？
多数決が民主主義ではありません。
大多数が少数を抑圧することは
民主的とは程遠い独裁です。
もう少し丁寧な審議をするべきだったのに、
いざとなればあそこまでの強引な採決をする政府です。
様々な問題点が指摘されておりましたが、
野党をを納得させる合理的な説明ができないまま、
国会議員の２/３以上が賛成しているからという理由で
審議打ち切りとなり、強行採決をしました。
今回のような強硬な態度で審議を打ち切る政府与党が
特定秘密保護法の「適正な運用」を行うとはとても思えません。
平時は適正にやっているように振舞うと思いますが、
問題は平時ではなく、有事です。
異常事態に政府が追い込まれたとき、
普通じゃない国民は差別的扱いをされるということを
初代内閣安全保障室長・佐々淳行氏は暗に語っているのかも
しれません。
安倍さんが良い人悪い人ということは
全く関係なく、
国家権力というものは
恣意的方向に流れていくものです。
権力の集中が独裁を招き、
差別を招く、
権力が集中すればするほど、
その傾向は強くなります。
洋の東西を問わず、
私たちは幾度となくそういった歴史を習ってきた。
だから三権分立という
お互いの権力でお互いを監視し合うような
仕組みが長い歴史で出来上がったわけです。
普通かどうかを決めるのは
国家ではなく、国民１人１人だと思います。
おしまい。 |
