先日、アメリカの45代大統領に就任した
ドナルド・トランプさん。
トランプさんが当選した背景には
アメリカの極端な格差社会というものが、
多く関係していると私は思います。
ご存知の方も多いとも思いますが、
世界のトップ62人の総資産が
全世界の下位半分の総資産と同じという、
とんでもない格差が世界で拡大しております。
その62人には多くのアメリカ人が含まれています。
アメリカ国内だけで見れば、
上位10%の裕福層の総資産は
下位90%より多いという状態です。
資本主義の最先端を突っ走っているのがアメリカです。
レーガン以降、オバマさんまでのアメリカは
自由貿易を推し進め、
グローバリゼーションを強く推し進めていきました。
規制をどんどん撤廃し、
国をまたいだ巨大企業が次々に出現しました。
マイクロソフト
アップル
グーグル
アマゾン
ウォルマート
コストコ
SNSでは
フェイスブックやツイッター
などなど、
たった1社で小さな国のGDPをはるかに凌ぐ
利益を出している大企業も出てきました。
日本人の動向を見てみても、
グーグルで検索し
アマゾンでアップル製品を買う
週末はコストコへ出かけ
SNSでフェイスブックやツイッターを使う。
ってなんて感じですからねぇ。
普通に生活をしていても
アメリカの巨大企業にお金が入るようになっています。
さらに、
ビリオネアと呼ばれている富裕層は
お金を運用し、さらに利益を得ていますが、
おおむね5%ほどで運用されてきています。
先日フェイスブックのザッカーバーグさんが
家族旅行に出かけられたそうですが、
ヘリポートのある巨大クルーザーをレンタルし、
1回の家族旅行で使った金額が60億円以上といいますから、
まぁ、一般庶民からすると
夢のまた夢、そのまた夢の夢的な金額です。
一方で
庶民は運用するお金もなく、
銀行に預けている貯金のわずかな利子分しか
お金は増えません。
例え運用率が同じであったとしても、
分母があまりにも違いすぎますから、
裕福層はますます裕福になり
貧困層はますます貧困になる。
民主党、共和党の入れ替わりはあっても
この流れだけは止まっておりません。
この格差の拡大により、
中間層から脱落した貧しい白人が次々に現れ、
多くの割合を占めるようになってきました。
「エスタブリッシュ層から国民へ」
と訴えていたトランプさんが当選したのには
行き過ぎたグローバリゼーションの振り子を戻し、
巨大に膨れ上がった貧困格差を是正してもらいたい!
というベクトルが国民全体に
かかっているのだろうと思います。
日本も他人事ではありません。
かつての分厚い中間層は
徐々にいなくなり、
一部裕福層を除き
全体が貧しくなってきています。
アメリカでおこることは
後に必ず日本でも起こります。
マスコミ各社では
いまだにトランプ叩きをしている真っ最中ですが、
先日の就任式では
反トランプデモで暴動が起き
90人近くが逮捕されました。
ガラスを割るわ、車はもやすわの大騒ぎでした。
トランプさんのことをレイシスト(人種差別主義者)だとか
暴力的だというけれども、
合法的なデモはともかく、
暴動を起こすというのはいただけません。
アメリカ全土の選挙によって選ばれた大統領です。
「選挙なんか関係ねぇ!」
「俺様の言っていることが正しいんだ!」
「言うこと聞かないなら、商店のガラスも割るぜ!」
「車も燃やしてやるぜ!」
これではねぇ~
もちろん反トランプ派の全員がこう思っているわけでは
ないと思いますが、
一部は暴力に訴えて自らの主張を通そうとしております。
これは全くの逆効果で
本当にトランプさんを退陣させたいのなら、
法にのっとったデモを行い、
地道なロビー活動などで世論を喚起し、
退陣に追いやるという方法を取るべきです。
トランプ陣営からすると、
そら見たことか!
ヒラリー派は暴力主義だ!
と揚げ足を取られるだけです。
トランプさんは行き過ぎた
グローバリゼーションの振り子を必ず戻します。
すでに正式にTPP脱退を表明していますし、
ナフタの再考も言明しております。
そこで予想されるのは
国をまたぐ超巨大企業vs国家という対立です。
今後世界中で起きてくると思われます。
超格差社会は嫌いですが、
社会主義はもっと嫌です。
トランプさんのバランス感覚に期待したいところです。
おしまい。
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