というわけで、今日はねじのお話です。
バイク乗りなら誰でも1度は経験するねじなめ。
締めこみすぎたり、はたまた固着してもげてしまったり・・・
マフラー交換のときにエキパイのスタットボルトが固着していたり、
エキパイとサイレンサーのクランプボルトが
さび付いて動かなかったり、
皆さんもそんな経験ありませんか?
私も高校生のころDT50のチェーンアジャスターを締めていて、
思いっきり「バキッ!!」とねじ切りました。。。
締めすぎですね。
だいたい6mmのボルトに対して、
力いっぱい締めたらそりゃ折れます。
「外れたらどうしよう」という不安から、つい強めに閉めてしまいます。
今日もゼファーのスタットボルトの交換です。
3番シリンダー左側のスタットボルト。
頭が少し残っていましたので、
バイスプライヤーで挟んでまわしてみますが、びくともしません。。。
シリンダーはアルミ合金、スタッドボルトは普通の鉄ですので、
熱膨張の差を利用してバーナーで炙ってみます。
うーん、これもだめでした。
1 根元に防錆潤滑剤をしみこませて
↓
2 バイスプライヤーで挟んでグリグリ
↓
3 バーナーで炙る
これを繰り返します。
外側のシリンダーならドリルが真っ直ぐ当てられますので、
ドリルでもんでエキストラクターで引き抜くという手があるのですが、
3番シリンダーですので、
フレームが邪魔してドリルが当てられません。
最悪エンジン脱着作業です。
さらに作業に失敗すると、
シリンダーヘッド交換!!
なんてなりかねません。
こういった作業は細心の注意と、
ボルトの「声」を聞きながら行います。
寿命が縮みます。
スタットボルトにバイスプライヤーで挟んでグリグリすると
わずかに残ったボルトの根元がしなっているのがわかります。
あんまりしならせすぎると、そのうち金属疲労を起こして、
根元から折れてしまいます。
折れたら・・・
エンジン脱着です。
あんまりにも動かないので、
残ったスタットボルトの頭に10mmのナットを溶接。
場所が場所だけにちょっと溶接するのも面倒でしたが、
なんとかナットがくっつきました。
これで力が掛かりやすくなりましたので、
再び上記1〜3の作業を繰り返します。
悪戦苦闘の4時間半。
やっと外れました。。。
サービスマニュアルを見ると、
締め付けトルクなどが載っています。
んが、載っていない部分もあります。
そういった部分はどれくらいのトルクで締めたらいいのか・・・
それは・・・
勘です!
ってのはうそですが、
だいたいねじの大きさで締め付けトルクってのは決まっています。
標準締め付け付けトルクは
種類 |
締め付けトルクN・m |
5mmボルト、ナット |
5 |
6mmボルト、ナット |
10 |
8mmボルト、ナット |
22 |
10mmボルト、ナット |
34 |
12mmボルト、ナット |
54 |
5mmスクリュ |
4 |
6mmスクリュ、SHボルト |
9 |
6mmフランジボルト、ナット |
12 |
8mmフランジボルト、ナット |
26 |
10mmフランジボルト、ナット |
39 |
となります。
上記表はあくまで標準締め付けトルクですので、
場所によっては違うところもあります。
正確に知りたい方は、
それぞれのサービスマニュアルを参照ください。
本当はサンデーメカニックの方こそ
トルクレンチを使っていただきたいです。
「手トクルレンチ」をマスターするまでには
それなりの数をこなさなければ何ニュートンで締めているのか
感覚がつかめませんからね。
また、固着させたくないボルトやナットには
焼きつき防止の耐熱グリスを薄く塗ってから締め付けると
外すとき楽です。サビも防止できます。
エキパイのスタットボルトも熱や振動の影響で
固着しやすくなってますので、必須ですね。
ゴールデンウイークまじか!
きちっと整備して、楽しくツーリングに出かけましょう!
では!
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