ネパールの首都カトマンズ。
安宿街のジェッチェン・ストリートにほど近いところに、
ダルバートスクエアーという広場があります。
広場に一人でいると、実にいろいろな人が話しかけてきます。
「マネー・イクスチェンジするよー」とか
「ガンジャ、ガンジャ。ハシシ、ハシシ」とか
外国人旅行者目当ですね。
その中に、なにやら1枚に紙切れを持って
私に近づいてくる青年がいました。
その青年がまっすぐにこっちを見て熱心に話し始めました。
俺は日本に行きたいんだ。
でも、インビテーション(紹介状)がなければビザが出ない。
おまえ、俺の紹介者になってくれないか?
日本でいっぱい働いて、家族を養うんだ。
日本人に友達もいないし、
だから、おまえ、俺の紹介者になってくれ
青年の持つ申請書らしき紙切れを見て
何が書いてあるか良く分かりませんが、
どうもこの青年が嘘をついているとも思えませんでした。
しかしまぁ、なんの書類かも判別が付かないものに
さすがにサインするわけにもいきません。
私は「ソーリー、ソーリー」と繰り返し、
青年はがっくりして去っていきました。
もう10年も前の話ですが、
私がアジアを放浪していたときの話です。
ネパールの貨幣はネパール・ルピーです。
GNPもかなり低く、国力もないため、
ネパール・ルピーは他国で両替もできません。
トラベラーズ・チェックから
ネパール・ルピーに換金したものは
ネパールで使い切るように
チベットへ移動する前4日間くらいは
無理やりレストランに行ってルピーを使い切りました。
ダルバートスクエアーを見下ろすレストランで
ステーキを食べながら、ふっとあの青年の顔が思い出され、
「ああ、なんだろうこの罪悪感は・・・」
と思ったものでした。
また、
経済大国、日本で生まれたことの幸運をひしひしと感じました。
こうして自由に国境を越えて旅行ができて、
家(日本)に帰れば戦争も暴動もなく、
毎日おいしいお米が食べられます。
ネパールで出会ったあの青年は
行きたい国にも行くことが出来ません。
こうして自由に旅行が出来るのも
日本が経済大国であるからです。
自分たちの両親が、昭和の時代に汗水たらして、
必死に働いたからこそ、
今私たちが平和に暮らせて、外国旅行も自由に行けるのです。
もし、日本が経済大国でなくなってしまったら、
私もあのネパールでであった青年のように、
自由に移動することすら出来なくなってしまうかもしれません。
先日、平成18年度分「民間給与実態統計調査」が発表になりました。
詳しくはこちらPDF↓↓をご覧ください。
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2006/menu/pdf/1.pdf
ニュースなどで取り上げられていましたから、
ご存知の方も多いかと思います。
給与総額は8年連続でダウン。
そのくせ税収は伸びています。
ま、経済大国であるのと同時に借金大国でもありますから、
増税したぶんは、借金返済に当てて欲しいところですが、
無駄な官舎を作ってみたり、
税金の無駄使いは後を絶ちません。
そもそも国家公務員に平均年収が
一般サラリーマンの平均年収より高いのが分かりません。
「日本人の給与(職業別)」参照
http://ranking1.nobody.jp/salary-shokugyou.html
国税庁の「民間給与実態統計調査」を読んでいて
ふっと思ったのですが、
日本は本当に経済大国なんだろうか?
と、疑問が出てきました。
2年間ほどオーストラリアにいたことがありますが、
それぞれ1年間づつ、10年前と、4年前のことです。
当時は確かに日本より全体的に物価は安かったような気もします。
ところが
オーストラリアは空前の好景気に沸いています。
特に不動産バブル。
移民が多いのもその原因でしょうが、
シドニーや、メルボルン、ブリスベンなど、
都市近郊の物件の値上がりは尋常ではありません。
一昔前は1000万円も出せば、庭付きプール付きの一軒家が
買えたようですが、今はとてもそんな値段じゃ買えません。
億単位です。
昨年発表されたオーストラリアの平均年収は約54647豪ドルです
今日現在のレートを見ると(為替ルートはこちら↓)
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=AUDJPY=X&d=t
何と、101円です!!
私が向こうに居た時は70〜80円くらいでした・・・
54647豪ドルを今のレートで日本円に直すと・・・
551万円!!
平成18年度の日本の平均給与は435万円
軽く負けてます。
もはや日本よりもオーストラリアの方が経済大国です。
他の国の平均給与も調べたいですが、
時間がないので興味がある方いたら
調べて教えてください!
少なくとも私が旅行した10年前よりは、
金銭的にオーストラリアを旅行しずらくなってしまいました。
ネパールで出会ったあの青年が思い出せれます。
私たち大人が持つことの出来た選択枝を
次の世代にも残さなければいけません。
行きたい国に自由に旅行できる環境を
今の子供たちにも残さなくてはいけません。
土日休んで、ハッピーマンデー、
ゴールデンウイークに盆暮れ正月。
こうしてお休みが取れるのも
昭和のサラリーマンの先輩たちが必死に働いた貯金です。
その上に胡坐をかいていることに気が付かなければいけません。
もうオーストラリアに平均給与という面で負けてます。
他の国との比較はどうでしょう。
どうしたら良いものか・・・
難しいですね。
今日は雨降りで、来客も少なく。
なんかローテンションです。
秋晴れ!早く来ないかなぁ
おしまい。 |