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2008/05/19

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火花が弱い
先日お預かりしたGSX250FX
スズキがカワサキにOEMで提供していたバリオスUですね。
12ヶ月点検で入ってきたのですが、
点検に取り掛かろうとエンジンをかけようとすると、
どうも始動性が良くない。

バリオス自体基本的に始動性が良くありませんが、
今回の場合は度を越えて良くない。
エンジンかかっても何発か燃えていないようで
まともにアイドリングもしません。

お客さんは普通に乗ってきたのに、不思議です。

2番3番が燃えていない。
250ccのマルチで2発燃えていないと
もうまともには走れませんし、
どんなに機械に疎い人でもさすがに不調に気が付きます。

入庫前に一度ご来店いただいたときも
4発キレイに燃えていましたし、
「ああ、あんまりやることないだろうなぁ」と思っていました。
ところがどっこい完全にはまっております。


さて、診断です。
2番3番が燃えていませんので、
まず疑ったのが2、3番用のイグニッションコイル。
1,4番用のイグニッションコイルと交換してみて
エンジンをかけてみると今度は1,4番が燃えなくなりました。

ああ、やっぱりイグニッションコイルの不良です。



早速パーツ注文して交換してみました。



ところが、












やっぱり2,3番が燃えていない・・・・・











おかしい











3ヶ月以上乗っていないと、
後日お客様から連絡を頂きましたので、
念のためにキャブをあけてみます。


バリオスのキャブをO/Hするときは
キャブ本体とエアクリーナーボックスの勘合部に
ゴムのガスケットが入っているのですが、
このガスケット、
ガソリンの吹き返しなどでふやけて伸びているものが
ほとんどです。一回ガスケットを取り除くと、
2度と同じようには付きません。
たとえ切れていなくても交換です。

よくやる手としては、ふやけて伸びてしまったガスケットの一部を
詰めて、アロンアルファーでくっつけ、耐ガソリンの液体ガスケットで
処理してから取り付けて再利用します。

このキャブも同様に液体ガスケットを塗った跡がありました。
キャブは1度O/Hされているようです。

メインジェットの取り付けも1,4番、2,3番と逆についていました。

ま、これはこれで間違ってはいましたが、
エンジンがここまで調子悪くなる原因にはなりません。
キャブの中身もキレイでジェットのつまりもありませんでした。
フロートバルブの受け側についているOリングもブヨブヨに
なっていましたので、ここからのオーバーフローも
考えられますので、このOリングも交換しておきました。



キャブを取り付けて再始動。
ま、わかってはいましたが、やっぱり2,3番が燃えない。。。










電気系のトラブルですね、やっぱり。









ピックアップコイルは正常に働いています。
一個のコイルで1,4番、2,3番両方の仕事をしています。
ピックアップローターにも歪みもありませんでしたし
交流電圧もしっかり上がっていました。
ピックアップからイグナイターまでの配線も断線、レアショートもない。

残るはイグナイターの不良ですが、
さすがに交換用のイグナイターなど持っているわけもなく、
注文するにも1個3万円もします。
簡単には注文できません。

たまたま持っていたカワサキ用のイグナイターがあって
品番を見ると下2桁が違うだけ、
コネクターの形も一緒でしたので、
ためしに交換してみましたが、
やっぱりダメ・・・・・











外装がやたらキレイな割りに、
サイレンサー部に大きなキズがありましたので、
1度転倒しています。
メーターカバーもピカピカですので、
これも1度交換されている可能性が高い。

メーターをバラしてみると
インナーケースに割れの修正跡がありました。
タコメーターの基盤に無事のようですが、
この基盤もイグナイターに直接繋がっていますので、
こいつが悪さして点火不良になっている可能性もあります。

タコメーターも2万円ほどしますので、
これも簡単に注文はできません。














点火不良の原因がイグナイターかタコメーターか
どちらかである可能性は非常に高いのですが、
なんせパーツがとても高いので、
気軽には注文できません。
診断をするに当たって、
診断用のパーツがあれば、
交換して確認することができるのですが、
それができない。

うーん、ちょっと困っております。








さんざん考えた結果、
四方八方手を尽くして
何とかイグナイターとタコメーターの中古部品を
借りる手配をしました。

これでちゃんと燃えてくれれば良いんですけどねぇ。






電気の診断はなかなか大変です。




あんまり長時間1台のバイクに当てていると、
他の車両がどんどん溜まっていきて
工場に預かりスペースがなくなってしまいますので、
平行して他の車両もやっております。
現在修理待ちが40台ほどありますので、
立ち止まる整備が増えると
予定がドンドン狂って行きますが、
ま、これはバイク屋の業ですね。
予定通りにはいきません。
臨機応変に対応するしかないです。はい。




ああ、もう車検に行かなきゃです!!
時間との戦いです。
ではでは!


おしまい。
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