点火系の不良が立て続けに2件。
1件はロイアルエンフィールドのブレット350。
回転をあげると点火がまばらになり、
回転が上がりません。
時々正常に点火しているときもあり、
その時は絶好調です。
ま、ありがちですが、ポイントギャップの調整や
ポイント接点の清掃。
ガバナーの動きなどを点検。
異常なし
ものすごい古いタイプのでっかいイグニッションコイルが
ついていますので、
お店に転がっていたカワサキ系のイグニッションコイル
を移植して付けてみましたが、症状は一緒でした。
つまりイグニッションコイルは正常ですね。
かろうじてアイドリングはしますので、
ポイントの火花も見てみましたが、
まぁそれほど異常とは思えません。
たぶんコンデンサーも正常に作動していると思います。
朝11時くらいから診断を始めて
悩みに悩んで7時間。
1人でやっていますので、
その間すべての作業が止まります。。。。
たどり着いた答えは
アンメーターのコネクタ部分の接触不良。
カプラーを清掃してしっかり付けてやると
回転をあげても問題なくエンジンが回ります。
ためしにコネクターを抜いてエンジンをかけてみると
同様な症状がみられます。
ここの接点がついたりつかなかったりで
症状が出たり出なかったりしたわけです。
原因はたったこれだけが、
要した時間は7時間です・・・・・
まぁ、こういう時もあります・・・・
修理が終わって外装を組み付けると
もう外は真っ暗でした。
もう一件は
CB750FBのエンジン不調。
お客さん自身で不動車を修理→車検取得。
車検場までは問題なく走っていたようですが、
車検場で問題発生。
急にエンジンが不調になったそうです。
ご来店していただいてエンジンをかけてみると、
ニュートラルに入っているときは問題なし。
1速に入れると急に片排になります。
プラグチェッカーをかまして点火しているかどうか
調べてみると、
ギヤが入っていると#2、#3だけ失火しています。
ここでも登場するのが、
お店に転がっていたカワサキ系のイグニッションコイル。
またこれを移植してみますが、同じ症状。
ということはイグニッションコイルは問題がない可能性が高い。
問題はもっと根っ子です。
次にスパークユニットを左右入れ替えてみます。
これで#1、#4が失火するようであれば、
スパークユニットの不良と思ったのですが、
症状は一緒。
つまりスパークユニットは問題がない可能性が高い。
問題はもっと根っ子です。
ピックアップコイルかなぁ・・・
とも思いましたが、
もしピックアップコイルが異常なら
ニュートラルの時でも不調になるはずです。
問題はもっと根っ子です。
んで、
たどり着いたメインスイッチ。
配線図がありませんでしたが、
メインスイッチのコネクターを抜いて
コネクター部分で直結してエンジンスタート。
(昔のバイクは恐ろしいくらい簡単に直結できます…)
(ちょっと怖いですね・・・)
すると1速に入れても失火しません。
問題はメインスイッチの接点不良でした。
ここまで来るのに30分くらい。
これはあっさり問題解決でした。
電気の不良は目には見えませんので、
想像力が大切です。
エンフィールドのように7時間かかる診断もあれば、
CB750FBのように30分で簡単に終わるものもあります。
構造を理解し、電気の気持ちになって考える!!
自分が電子になった気持ちになって、
配線のなかを走りまわる感じです。
嘘のような本当の話です。
オートバイの構造が頭の中に入っていると、
見えていない部分も見えるようになるんです。
(もちろん想像の世界ですが・・・)
数多くのバイクにさわり、
毎日多くの経験をさせていただいているおかげで、
この想像力がついたんだと思います。
バイク屋になって13年。
これも多くのお客様から御注文いただいているからこそ
なんだろうと思います。
同じような作業でも毎日続けていると、
車種毎の微妙な差や個体差がわかるようになってきます。
これらの違いに気がつくようになるには
やはり数をこなさなければなりません。
職人には修行が必要と良く言いますが、
職人には繰り返し続けて作業するという
工程が必要だからなんだと思います。
今日の作業予定も
スカイウエーブのタイヤ交換。
アベニス125の12カ月点検
マジェスティのエンジン異音診断。
基本的な作業ですが、
こうした毎日の作業が
少しづつ力になっているんだと思います。
日々勉強!なんですねぇ
では!
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