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ザ・バイクマン日記
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2010/09/24

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生きる力
西湘バイパスを走行中、アクセルワイヤーが切れました。




皆さんならどうします??












先日、西湘バイパスを走行中アクセルワイヤーが切れた、
とのことで、RZ350RのYさんがご来店されました。

アクセルのタイコ部分で見事にアクセルワイヤーが
切れていたわけですが、
ビキニカウルのスクリーン取り付けスクリューを1本外し、
スロットルホルダを外してタイコがはまる部分に
切れたワイヤーを差し込みボルト止めされていました。

スロットルはすっぽ抜けますが、
とりあえずアクセル操作は出来ます。



お見事!!!




架設工事とはいえ、何とかバイク屋まで走れるように
創意工夫して走行できるようにする力!!



素晴らしいの一言です。




店主も昔オーストラリアの砂漠のど真ん中
半径170キロは誰もいないシンプソン・デザート
詳しくはこちら↓http://www.exploroz.com/TrekNotes/Deserts/Simpson_Desert.aspx
XL600Rファラオでシンプソン・デザートに突入!
      1996年シンプソン・デザートにて


というところで、
シートレールが両側折れて荷物が積めなくなりました。

まだお日様も高く、直射日光に当たっていると
ヒリヒリと肌を焼きます。
とりあえず落ち着かなければと、
バイクの陰に避難して煙草を1本。

どうしよう・・・・

ガソリン的には十分あるので、
シンプソン・デザートの出口の町(Birdsville)まで何とか走れる。

しかし、リュックに入る荷物だけでは
次何かトラブルがあった時、
本当に何もできなくなってしまう。

1発勝負、カラ荷で完走すっか!!


いやいや、それはあまりにも無謀。


心臓は怖くてドキドキです。
「渇死」という文字が脳裏をよぎります
水と食料は5日分。
とりあえずテントを張って日陰を作り、
対策を練りつつその場所で1泊することにしました。
あわてて何か行動を起こしてミスったら本当に渇死です。

夜になり、一気に気温が下がります。
風に乗って飛んでくる砂がテントのウォールに当たり、
不気味な音を立てて流れ落ちます。
怖くて怖くて眠れません。

ああ、俺はこのまま死んじゃうのかなぁ・・・

柄になくネガティブな思考が頭を占拠していきます。

昔読んだ
「サハラに死す―上温湯隆の一生」
という本を思い出します。
サハラ砂漠をラクダ1頭で横断中にラクダに逃げられ
渇死してしまった青年の日記が、製本化されたものです。
その本の中に出てくる上温湯さんの詩がぐるぐる頭を回ります。

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30分しか眠れぬ夜で
俺の体を包み込んだ砂、そして砂
-----------------------------

ああ、ホント怖い。

ちょっと寝ては目が覚めて
ちょっと寝ては目が覚めてを繰り返し、
一晩を明かしました。




シンプソン・デザートは西から東に風が吹いていいます。
したがって砂丘の形が
西側が穏やかなこう配、
東側が急なこう配となっています。
通常バイクでシンプソンを超える場合は
スタックしないように西側の町から入ります。
私もご多分にもれず西から東へ進んでいました。
私の知る限り、バイクでシンプソンを東側から超えた人はいません。
バイクではスタックして東側から砂丘を超えられないからです。

まだ気温が上がる早朝に
ちょっと試しにカラ荷で砂丘を東側から上ってみました。


カラ荷なのに何回もスタックしながら
ようやく砂丘を1つ超えることができました。
息も上がって、のどカラカラ・・・
「アイム サースティー!!」

元来た町(Mt Dare)に戻るには
あと100近い砂丘を越えなければなりません。
気が遠くなる・・・・


しかし、距離的には元来た町に戻るほうがはるかに近い。


今いる場所は全行程567.35 kmの約1/3のところ、
フレンチラインというフカフカの砂が最も多い最短路。

20キロほど南にはリグロードというフレンチラインの
う回路的な道があります。
砂は少ない、という情報ですが、
行ったことがないのでわかりません。

砂丘と砂丘の間を南に下って
リグロードに出てみまいした。。


うわさ通り砂もあまりありません。
東側から再度砂丘を上ってみます。


スタックせずに登る!!






再びテントの場所まで戻り、
荷物をフレンチラインのど真ん中にまとめ
「Pick its up!!
 and take them to Mt Dare
 I've been wating !!」
と張り紙をして
詰め込めるだけリュックに荷物を詰め込み
折れたシートレールをタイヤレバーと針金、ガムテープで
グルグル巻きにして固定。
リグロードを通ってなんとか入口の町
Mt Dareまで戻ることができました。

Mt Dareで折れたシートレールを溶接。
テントも何にもありませんから
ブルーシートを地面に敷いて
夜露に濡れながら3日間野宿。


すると東側から4駆の一団が現れました!!!!


「俺の荷物がなかったか?」
と聞くと、見事に荷物を拾って持ってきてくれていました。

涙が出るほどうれしかったです。
その夜は4駆の一団に誘われて
とっても豪華なBBQをごちそうになりました。








ちょっと話がずれました。。。。。






前述のYさんも然り。





バイタリティー、発想力、行動力。
ラリーでも人生でも同じです。
「自力でとにかく何とかしてみる」という考え方。
これこそが根幹に必要です。
これこそが「生きる力」なんだと思います。




今の若い人がYさんと同じトラブルになったら
どうしたでしょう?
携帯もあるし
西湘でアクセルワイヤーが切れたら
直ぐに救援を呼ぶのかもしれません。
便利な世の中は
「自力で何とかしなけらば!」という
「発想力」を奪っているのかもしれません。


Yさんはスクリーンナットとスクリューで
アクセルワイヤーをなんとか固定して
走ってザ・バイクマンまで来ました。

素晴らしいの一言です。
感動すら覚えました。


ブサブサに切れたアクセルワイヤーの切れ端を
眺めながら、シンプソンデザートのことを
ふっと思い出しました。


ああ、ホント生きててラッキー♪



あの時、もう一発トラブルがあったら
本当に渇死していたかもしれません。


今こうして楽しくザ・バイクマンができることに感謝です。
荷物を拾ってきてくれた優しきオージーに感謝です。



おまけ人生の店主でした。


おしまい。
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