先々週の話です。
お風呂に入った時、
不舟の中に息子が遊ぶためのボールが浮いていました。
何の気なしにボールを掴んでお風呂の中に沈めたり浮かしたり
していたわけですが、
ボールをお湯に沈めると
お風呂の水面が上がります。
ボールをお湯から出すと
お風呂の水面が下がります。
つまり、ボールの体積(面積)の分だけ
お湯の湯面が上下するわけです。
さて、ここで疑問が出てきました。
球体の面積ってどうやって測るんだったっけ??
お湯に浸かりながら考えます。
円周の長さは円の半径rの2倍(直径)の3.14倍
つまり2πrです。
円の面積は半径×半径×3.14
つまりπr^2です。
円の面積は1辺がrの正方形の面積の3.14倍とうことですね。
では球の面積は1辺がrの立方体の3.14倍(πr^3)なのかな??
お風呂から出てネットで調べてみると
球の面積は4/3πr^3ということでした。
私が考えたπr^3は間違いでした。
お風呂のボールから始まった球の面積を考えるという疑問。
息子が大きくなって質問された時にきちっと答えられるようにと
ない知恵を絞って考え続けました。
最初の発想は
円の面積を180度くるっと回せば体積になるはず。
πr^2に円周の半分を掛けて見ると
π^2r^3です。
まずネットで調べた4/3πr^3で考えます。
半径が1cmの時
球の面積は4.18立法cm
私が考えた式π^2r^3だと
球の面積は25.12立方cmになってしまいます。。。。。
この考えはNG
私は高校2年まで理系でしたが、
微積分と数列が一緒になり始めた時点で挫折。
そこから文系に切り替えたわけですが、
微積分のさわりだけは高校生の頃に勉強していました。
なんとなく覚えている積分という考え方。
確か面積を求めるのに積分という考え方が使えるはず(たぶん)
円を平行にスライスして
スライスした円の面積を全部足せば
それが球の面積となるはずです。
でもどうやって積分すればよいのかさっぱり分かりません。
球をまず均等に半分に切ります(半球体)
切り口の面積は単純にπr^2ですね。
任意の高さXでこの半球体を平行にどんどんスライスしてみます。
球の半径をr
任意の高さをx
切り口の半径をa
とします。
任意の高さxでスパッと切った時の円の半径aをまず求めます。
斜面の長さは半径r、
高さがxの直角三角形であるから
ピタゴラスの定理c^2=a^2+b^2が使えますので、
aの長さは√r^2-x^2です。
すると
任意の高さxで
半球体を平行にでスパッと切った時の切り口の円の面積は
π(r^2-x^2)
今球体は半分にぶった切った状態ですので、
このときxの値は0≦x≦r
これを全て足したやつを2倍にすれば球体の面積になるはず。
しかし、微積分など完全に忘れているので、
これ以上の考えがでてきません。。。
微積分を考えたニュートン以前の人達は
どうやって球の面積を求めていたんでしょう??
今分かっているのは4/3πr^3が球体の面積と言う事実。
これを何とか証明したい。
球の面積の公式4/3πr^3.
まずπr^3、これを4/3したものが球の面積ということですね。
πr^3は
半径r
高さrの円柱の面積です。
これを4/3すれば円の面積。
なんでだ?
なんで4/3するんだ。。。。
わかりません。
4/3がわかりません。
4/3とはつまり、1/3の4倍です。
1/3かぁ・・・
円柱の1/3をまず考えます。
そういえば、円錐も三角錐も四角錐も
面積を求める時は底辺の面積×高さ×1/3でしたね。
なんで全て1/3かの証明はここでは割愛。
興味ある人はネットで調べると証明の方法がいっぱい出てきます。
えー、
半径r、高さrの円柱から
半径r、高さrの円錐を取り除くと、
円柱の残りは全体の2/3ということになる。
したがって、円柱から円錐を取り除いた物体の面積は
2/3πr^3
これを2倍にすれば4/3πr^3ですから、
円の面積になるということか・・・
やったーー!と一瞬思ったわけですが、
スタートの発想が既に分かっている
球の面積の公式から始まっているからわけだから
そもそもこんな公式がなかった時代の人が
半球体の面積と
円柱から円錐を取り除いたものの面積が
一緒であると思いつくはずがない。
依然としてなぞでした。
なにか答えに近づいたようで
近づいていないようで、
にわかにはよくわかりません。。。。
そこで出てきたガヴァリエの法則。
底面積が同一で高さが同じ2つの物体を
平行にスパッとぶった切った時の切り口の面積が
常に等しければ2つの物体の面積は等しい。
これはなんだか使えそう。
先ほど半球体を平行に任意の位置xでぶった切った切り口の面積(S)を
出した式、S=π(r^2-x^2)と
半径r、高さrの円柱から円錐を取り除いた物体(仮にAとします)
の切り口の面積が同一なら
半球とAの面積は同じと言うことになるわけです。
Aの物体を任意の高さxで平行にスパッとぶった切った面積は
底面の面積πr^2から任意の高さxで切り抜いた時の
円錐の切り口の面積を引けば出てきます。
したがって、
切り口の面積をS’とすると
S’=πr^2-(πx^2)ですから
S’=π(r^2-x^2)
したがってS=S’と言うことになる!!
これで半球体と物体Aの面積は等しいことが証明されました。
したがって
半径r の球体の面積は
半径r、高さr、の円柱の4/3と等しいことが証明されました。
微積分を使ったほうが簡単に求まるんでしょうけど、
微積分なんてとっくの昔に忘れてしましました。。。。
ちゃんと勉強しなおしたいです。
ちなみに
球の表面積は4πr^3
これは半径r、高さ2r の円柱の側面の面積と全く一緒。
いやー、数学って不思議がいっぱいです。
球体や円はバイクでも車でも、
日常生活に多岐にわたって使用されています。
そう考えるとπってなんだろう?とか
そもそも数字ってなんだろう?とか
素数ってなんだろう?とか
あー、ホント疑問は尽きません。
ここまで考えるのに2週間近くかかりました。
微積分のなかった昔の人(ピタゴラスとかガヴァリエとか)の
発想力ってまさに天才的なヒラメキです。
今はバイク屋という商売上、物理や数学に興味津々ですが、
なんで高校の時もっと頑張らなかったんだろうと
いまさらながら強く思います。
あそこで挫折していなかったら、
きっと今のバイク屋業に生きた知識を
投入できたはずですな、きっと。
もう一度算数から習いたい。
球体の面積を求める説明は上記のように
微積分を使わなくても
出来るようになったわけですが、
息子に質問された時、
息子が平方根(√)や
ピタゴラスの定理(C^2=a^2+b^2)や
やガヴァリエの法則を
理解できるかは、はなはだ疑問・・・・
球体ってほんと不思議の塊ですね。
もう一度、算数から学び始めたい気分です。
そもそも、息子の質問がロジックな質問に発展するまで、
まだまだ先の話ですね。
きっと、「なんで箸は2本なの」とか
「タイヤはなんでタイヤって言うの?」とか
答えのない質問に、どうやって答えるか
球の面積より難しいかもしれません・・・
おしまい。
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