これも問題なくきれいなブルーフレーム。
さて、実際にフィールドテストを兼ねて
冬の訓練に参加。
大きなタープテント内にて、
暖房に使おうと
コールマンの遠赤ヒーターアタッチメントを
上に乗っけて、
レギュラーガソリンを燃料に
およそ8時間連続燃焼テストを行いました。
全く問題なく燃焼しておりましたが、
翌朝、コーヒーを沸かそうと
再び点火させようとしたところ、
燃焼不良状態となっていました。
工場に戻ってから全バラO/H
再び普通に燃えるようになりましたが、
15分後に同じ症状で燃焼不良が発生。
三度全バラにて内部を入念にチェック。
ジェットも詰まってない。
ホース内も詰まってない。
ヒートパイプも詰まりし。
ヒートパイプ内のワイヤーも問題なし。
クリーニングニードルも問題ありません。
いろいろ検査した結果、
原因が判明しました。
原因はクリーニングニードルの精度不良。
ニードルはジェット内に入っていて
ストーブ本体をシャカシャカとシェイクすると
ジェット内を上下に動き、
先端のニードルがジェットの穴に入ったり出たりして
穴のカーボンを除去するようになっているのですが、
何回かシェイクしていると
穴に刺さったまんまで止まってしまうことがありました。
クリーニングするためのニードルで
ジェットの穴が埋まってしまって
燃焼不良を起こしておりました。
ためしにクリーニングニードルを取り外して
燃焼させてみると、きれいに燃焼するようになりました。
ま、外しっぱなしでもいいんですが、
毎回分解して清掃するのも面倒くさいですので、
ニードル本体をくまなくチェック。
なんとかニードルを入れたままでも
問題なく燃焼するように改善策を考えます。
ジェット内部の内径と
クリーニングニードルの直径との差
このクリアランスが少し小さすぎることと
ニードルを支えている真鍮部分の製造上のバリと言うか段差
この2点に問題があるから
少量のカーボンが付着しただけで
ニードルがジェット内部で動かなくなってしまうようでした。
ということで、
クリーニングニードルボディーの真鍮部分の直径4.2mmを
4.0mmまで削り込み
角が立っているところを滑らかにして再びテスト。
条件を同じにするため
再びレギュラーガソリン+遠赤ヒーターで燃焼実験。
3時間燃焼後、
クリーニングニードルが引っかかりなく
しっかり作動するかテストしましたが、
どうやら問題なく作動し、
途中で引っかかることもなくなりました。
ストーブ本体
パイプ
ホース
ボトル
ポンプ
などには何の問題もありませんが、
問題は真鍮で作られたジェットやクリーニングニードルボディー
やはり精密なパーツですから
この辺の精度不良と製品毎のばらつきは
中華ストーブならではと言ったところでしょうか?
MSRのウィスパーライト・インターナショナルでは
こんなトラブルは今まで1回もありません。
ま、しかし、
中華ストーブはMSRの半値よりもさらに安いですので、
値段を考えれば文句は言えません。
燃焼不良の原因を探り出し、
修理できる人にとっては
コストパフォーマンスが非常に高いと思います。
ただ、ガソリンストーブを初めて買うような人にとっては
不調になった瞬間にゴミとなってしまいますので、
2倍以上の値段を出してでも
MSRやコールマンなど、
一流メーカーの物をゲットした方が良いと思います。
長く使えますし、
結果、単位時間当たりのコストも下がります。
中華ストーブは安いですが、
2回使って燃焼不良となって
もう使わないとなると、
結局高い買い物となってしまいます。
ある意味中華ガソリンストーブは
ガソリンストーブ上級者向け
とも言えます。
ガソリンストーブの構造と仕組みを正しく理解し、
正しい空燃比で燃焼させるためにどのようにするべきか?
全てわかったうえで修理や修正ができる人向け、
かもしれません。
いやー、ガソリンストーブって奥が深く、
また、手間がかかるが、
その分愛着もわきやすい。
ガスのように氷点下でドロップダウンすることなく、
力強い燃焼を続けてくれるガソリンストーブは
頼れる旅の友ですね!
ちょっとピンぼけですが、
スペアーのジェット(右側)との比較
同じジェットのはずなのに
高さが違います。
この辺の精度に一流メーカーとの差が出ています
オタクな日記。
おしまい。