つい先日中国が主導的に構築していこうとしている
アジアインフラ投資銀行(AIIB)に
イギリスが参加表明をいたしました。
ああ、これはドイツ・フランスも参加するかもしれないなぁ
なんて思っていましたら、
昨日ドイツ、フランス、イタリアが参加表明。
韓国も事実上の参加表明をしていますし、
オーストラリアも参加する意向があるようです。
先日参加表明をした
イギリス
ドイツ
フランス
イタリア
などを含めますと
既に参加国は30か国以上となりました。
加盟国の中で中国人民元の力が大きくなることは明らかで、
世界の基軸通貨としての米ドルが相対的に
力を弱めることになります。
まぁ、しかし、考えてみれば、
発展途上国で
道路も学校も病院もない地域に
生活インフラが整えば、
それだけ経済活動も活発になり、
結果として世界経済に寄与できるようになるわけですから、
中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)にせよ、
日米主導のアジア開発銀行(ADB)にせよ、
目的は同じで
お金があるところがそういったインフラ投資をガンガン
やってもらえばいいだけですから、
人民元であれ、日本円であれ、米ドルであれ、
もたらされる結果は同じなわけです。
ヨーロッパ諸国のAIIB参加によって、
今、まさにこの瞬間、
歴史がドラスティックに
動きはじめたのかもしれません。
第二次世界大戦で
唯一本土を攻められていなかったアメリカが、
ある意味漁夫の利的に世界の超大国となり、
米ドルが基軸通貨となりました。
戦後に出来上がった世界的な秩序が
米国の衰退
中国の台頭
という流れのなかで、
今、大きく動こうとしているんだと思います。
多くの学者や評論家などが、
中国崩壊は時間の問題だ、と毎年言っています。
オリンピックが終われば、中国経済は崩壊するとか
中国の土地バブルはすでに始まっているとか
中国共産党幹部の多くは
その個人資産をすでに海外に移しているとか、
少数民族問題、ウイグル自治区での暴動、
民主化運動など、
内政問題が起爆剤となり、中国は崩壊するとか
ゴールドマンサックスが中国から撤退を決めたことが、
中国経済の衰退を示すとか、
中国政府の発表しているGDPは全くのでたらめだ、とか
まぁ、反中国的な記事はネット上にいくらでもあります。
私も中国はいつか衰退するとどこか心の中で思っていましたが、
今回のAIIB問題で
おや?
これはもしかすると、
中国の崩壊はまだまだ先の話かもしれないぞ、
と思うようになりました。
多分、おそらく、
中国崩壊説を説くことは
多くの日本人にとって聞こえが良いんだと思います。
どこか心の奥底に
中国なんかには絶対負けない!
と思っている。
それは日本が日清戦争に勝利したこと、
また、
日中戦争はアメリカとの戦争が始まってしまったことで
一応日本の負けと歴史的にはなっていますが、
日中戦争だけに着目すれば、
明らかに日本の勝利といえます。
2度にわたり中国との戦いに勝利しているという
歴史的な記憶のDNAが
日本人の心の中に
深く根付いていると思われます。
日本人は
いままでずーーーーと
中国を侮っていた。
中国の悪いところばかりを探して報道し、
いつか中国は崩壊する、
または、崩壊して欲しいという
強い願望というか、希望が
私を含めた多くの日本人の心の中にあるのかもしれません。
前述したように、
発展途上国に対して
インフラ整備を行うことは
結果として世界経済を潤すことにつながりますので
単純にお金を持っている国が主導して
投資すればいいだけの話です。
米ドルでも日本円でも人民元でも
なんでも良い。
しかし、共産党の独裁と汚職が蔓延している中国にあって、
AIIBの透明性がいかに確保されるのかは
いささか疑問が残ります。
そういった意味で
イギリス、フランス、ドイツなど、
ヨーロッパ諸国が参加することによって
人民元の過度の台頭を防ぎ、
AIIBの透明性もある程度確保されるような気もします。
日本がアメリカを見限って、
ADBから脱退し、AIIBに加入することは
まずないと思いますが、
いずれにしても
中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の存在感は
基軸通貨ドルの存在を脅かしかねません。
戦後の世界秩序が崩壊してく
まさに歴史の転換点に
私たちはいるのかもしれません。
戦後70年が経ち、
世界が大きく動いているのを感じざるを得ません。
よーーーーーく考えて、
日本にとって何が最良かを
熟考していおく必要があるんだと思います。
おしまい。
|