「地球は丸い?」
と尋ねれば、
恐らくほとんどの人が地球は丸いに決まってるじゃないか!
と即座に返ってくると思います。
全く持ってその通りで、地球は丸い。
しかし厳密にいうと
地表には人間が作った人工物がいっぱいありますし、
4000mを超える山脈が大陸には存在します。
厳密に言えば、地球は丸くありません。
大変凸凹した状態のはずなのに、
ほとんどの人は「地球は丸い」と認識しております。
これは視点の問題だろうと思います。
1m×1mという範囲の地球表面の写真で見れば、
大変凸凹しているわけですが、
視点を広げて
1km×1kmに範囲を広げると、
街並みが見えるようになり、
100km×100kmにすれば、
海岸線の形が見えるようになり、
地球の直径
12800キロ×12800キロに拡大すれば、
もはや地球表面の凸凹など、
全く目につかず、
地球は丸く見えるようになります。
ガリレオは
「小さいことを気にしなければ、
物体は重さに関係なく、同じスピードで落下する」
と言いました。
小さい事と言うのは
空気抵抗とか、
物体の表面積や表面構造とか
そういったものです。
本と、紙を同時に落下させると、
もちろん本が先に地面に落ちます。
これは本が重いからではなく、
紙のほうが空気抵抗を受けて
落ちるのが遅くなっているからです。
試しに紙をギュッと固く丸めて落下させれば、
ほぼ同時に落下するはずです。
また
フーコーの振り子も
細かいことを気にしなければ、
運動量保存の法則によって
永遠に動き続けます。
しかし、現実には
振り子は空気抵抗を受けていますので、
次第にスピードが落ち、
最後には止まります。
「細かいことは無視する」
大きな視点でとらえなければ、
ガリレオの発見もありませんし、
ガリレオの発見がなければ、
ニュートンの万有引力の法則も出てこなかったでしょう。
ニュートン力学がなければ、
アインシュタインの相対性理論もなかったし、
現在問題になっている
ダークマターやダークエネルギーなどと言う
まだ発見されていない素粒子の存在も
予言できなかったわけです。
全宇宙のほとんど全部が
ダークマターとダークエネルギーで埋め尽くされているのに
私たちは全く観測できません。
私たちの観測できる普通の物質は
全宇宙の10%足らず。
つまり、
我々人類はまだ、
ほとんど何もわかっていないと言えます。
細かいことを気にせずに
大まかな視点で物事をとらえたからこそ、
基本的な物理法則に気が付き、
本質的な方程式が成り立ちました。
物理学は「小さな事を無視する」ことで
大きく発展していきた学問だといえます。
以前の日記で(2014-10-05の日記)
「森林は二酸化炭素を吸収しない」という話を書きました。
森林が大気中のCO2濃度を下げる力は
年間0.000000002%にすぎません。
これは小さいことを気にしなければ、
森林は二酸化炭素を吸収しないと言えます。
もちろん、100万年単位では減ると言えますが、
人間が暮らすサイクルでは
完全に無視して良い数字です。
話をもどします。
実際には地球は凸凹しているのに、
ほとんどの人が地球は丸いと答えます。
しかし、
人間の歴史だけは
やたらと細かいことを気にしがちです。
だれだれがあの時こう言った、とか・・・
だれだれとあの人はこうゆう繋がりがあったとか・・・
しかし、地球全体で人類の歴史をとらえれば、
違った見え方が出来るようになると思います。
そういった視点で歴史をとらえると面白いですし、
基本的な本質が理解できるようになると思います。
木を見て、森を見ず
さらに発展して
森を見て大陸を見ず
大陸を見て地球を見ず、
視点の違いで歴史観も変わってくると思います。
今日は随想
おしまい。
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