日本は一貫して
4島一括返還を主張し続けてきたわけですが、
ここで一気に方向転換するかもしれません。
賛否が分かれるところであるとは思いますが、
戦後73年が経ち、
米ソ冷戦時代から米中冷戦時代へと変革を遂げる中、
安倍さんの判断はまさに
苦渋の決断なんだろうと思います。
戦争終結の6日前、
ソ連は日ソ不可侵条約を一方的に破棄して
満州、南樺太へ侵攻を始め、
1945年8月14日、
日本がポツダム宣言を受諾した後も、
狂ったように猛攻撃を続けた。
同年8月18日には
千島列島北端の占守島(シュムシュ島)へも
攻撃を仕掛けてきた。
占守島を守り切った池田末男小将は
その戦いで命を落とした。
もし彼が占守島に居なかったら、
北海道に樋口季一郎中将がいなかったら、
現在北海道全域はロシアになっていたかもしれません。
命を懸けて守った千島列島と北海道。
本来なら
千島列島全部は日本の領土であったにもかかわらず、
北方4島まで事実上ソビエトの実効支配を許した。
戦争に負けるとは、
なんとも理不尽な要求を
飲まされるものか?
骨身にしみます。
それから73年。
今やロシアはかつての驚異ではありません。
国力も日本の1/4です。
現在急速な軍拡を続け、
世界第2位の経済大国となった中国。
軍事費もアメリカに次ぐ第2位。
日本にとって現在最も大きな脅威は隣国の中国です。
1960年代~1990年代までは
中国は軍事・経済ともに
日本の脅威ではありませんでした。
中国の経済発展が続けば、
自然と民主化が進むと考えていました。
そのために今年まで多額のODAを続けた。
しかし中国は、
天安門事件で民主化勢力へ徹底弾圧。
その後も中国共産党は肥大化し、
軍事を増強し、チベット人、ウイグル人、
その他少数民族を徹底弾圧し、
同化政策を進めています。
他民族を再教育施設へ隔離・幽閉し続けています。
民主化するどころが、
ますますその独裁色を強めております。
そしていよいよ、
覇権主義を表に出してきた。
南シナ海、東シナ海への侵略は
ご存知の通り。
民主化への希望は完全に立ち消えた。
それを悟った欧米諸国は
完全に中国に見切りをつけ始めた。
その帰結が米中貿易戦争の始まりです。
アメリカは完全に中国をつぶす気です。
日本としては
日米同盟を基軸としながら、
インド太平洋地域を味方につけるために
世界中を飛び回った。
ヨーロッパともEPAを結んだ
TPPを構築した
これらすべては中国の驚異から、
日本を守るため。
安倍さん曰く、
「世界を俯瞰した外交」です。
しかし、世界最強の軍隊を持つアメリカとて、
過去のような勢いはありません。
オバマさんが宣言したように、
アメリカはもはや世界の警察としての
経済力もなければ、軍事力もない。
アメリカは自国に帰りつつある。
完全なる中国包囲網を構築するためには
アメリカの顔色をうかがいつつも、
日本はロシアと手を組まざるを得ない状況と言えます。
ロシアもまた、極東地域を開発するうえで、
また
中国人の流入を止めたいという思惑もあり、
日本との連携は必須です。
日露の利害は一致しているとみて良いでしょう。
命を懸けて守り抜いた千島列島と北方4島。
2島返還へと舵を切ることは、
戦後73年が経った今、
ある意味適切な判断と言えます。
しかし、
しかし、
どんな顔して先人の魂に顔向けできるのか?
占守島を守るために
命を落とした池田末男小将をはじめ
多くの御霊に、
ただ、
ただ、
「申し訳ない」と
謝る以外ありません。
日本の領土を守りきることができないかった。
日本がもっと強かったら・・・
そう思うと、涙が出てきます。
うーーーーーん。
煮え切ら居ない気持ちでいっぱいです。
以上。