「殺人の時効撤廃へ＝「完成前なら遡及」明記－法制審に見直し案提示・法務省」と、昨日ニュースでやっていました。
ヤフーニュースはこちら↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100128-00000259-jij-pol
変更の内容はここでは割愛しますが、
要するに世の趨勢でしょうか、
厳罰化の流れがさらに加速しそうです。
細かな変更点についてはここでは割愛しますが、
問題点は
「完成前なら遡及」明記
という部分です。
つまり、今回審議している法律が出来たときに
時効が完成していない事件については
この法律を適用する、ということです。
過去に起きた事件についても
新しい法律を適用させるということです。
なんで問題なのか？
いまいちピンとこないと思いますが
例えば、
５０キロの速度規制のある道を５０キロで走っていたとします。
１０年後に規制が代わり、同じ道の制限速度が３０キロになりました。
すると、突然警察がやってきて
あなたは１０年前この道で２０キロオーバーの速度違反です！
と言うのと同じです。
法律や規制と言うのは基本的に
作られた時から有効となるべきで
時代を遡って、過去の事件や事故に適応してはいけません。
もしそんなことが許されてしまうと
何が適法で何が違法かの判断が付きません。
あらかじめ何が犯罪で、
それに対する刑罰がはっきりわかっているからこそ、
「何をして良いのか」がわかるんだと思います。
つまり、自由とは何か？が誰にでもわかる世界。
ということが重要で民主主義の根幹をなす部分です。
厳罰化の流れはますます加速していますが、
以前の日記↓
http://www.thebikeman.jp/nikki/2009-04-16.html
でも触れましたが、
統計的には凶悪犯罪は減っているのです。
凶悪犯罪が増えているように「見える」のは
マスコミの報道に偏りがあるからにほかなりません。
凶悪犯罪が減っているのに厳罰化が進んでいるのです。
そして今回の法務省の禁じ手。
ちょっと話は変わりますが、
ディーゼル規制の時も過去に遡って規制がかけられました。
まだまだ走れるディーゼル車が車検に通らなくなり、
泣く泣く手放された方も多いかと思います。
そのディーゼル車を作った当時は適法であったのに
新しくできた法律が適応されて違法になった例です。
古い自動車やオートバイは自然に数が減っていくはずなので、
これから作るディーゼル車に対して規制するべきで
過去に作られた車まで規制するのは間違いです。
これを認めてしまうと、
トヨタも日産も何を基準に車を作ったらよいが
わからなくなってしまいます。
このように、
新しい法律を過去の事柄に適応させてしまうと
社会秩序がなくなって混乱が生じます。
たしかに、殺人や放火など死刑が含まれている刑罰などについて
時効をなくすというのは理解できますが、
それでも、過去に遡って法律を適用するというのは
禁じ手以外の何物でもありません。
人類が生まれてから今まで
どんなに厳しい刑罰があっても
殺人はなくなったことがありません。
これは単に厳罰化しても犯罪はなくならないことの証明です。
有史以来いわゆる殺人犯が人を殺めた数よりも
国（公権力）が戦争などで人を殺めた数のほうが
圧倒的に多いわけです。
ボタン一個押すだけで何万人もの尊い人命が一瞬で奪われました。
戦争とは全く関係のない一般市民が、です。
そこに殺人罪は課せられていません。
法律とは本来国民の権利と自由を保障するためにあります。
公権力が恣意的に刑罰を課すことから国民生活を守るという
長い歴史で勝ち取ってきた大切なものです。
新しく作った法律を過去の事柄にまて遡って適応することは
民主主義の根幹を揺るがす
大変な危険を孕んでいると思うんですけどねぇ・・・。
難しい話です。。。
おしまい。
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