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2015/10/29

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ソーイング男子
最近裁縫にはまってきました。

というのも、ミシンを使い始めてから、
縫い物の面白さに目覚め、
さらに、ミシンという超精密機器のすごさに
思いっきり感動してしまったからです。

縫い物といっても、
ブッシュクラフトで使うメッシュの小袋を作ったり、
ベルトに通せるベルトループを作ったり、
折り畳みノコギリのシースを作ったり、
ま、大したものは作っていませんが、
まさに必要としているドンピシャサイズの
理想通りの形を作れますので、
夜子供達が寝静まって、
風呂に入ってなんやかんやテレビなどを見てから、
深夜にミシンを引っ張り出して
こっそり縫い縫いしております。

かあさんが~夜なべをして~
てぶく~ろ編んでくれた~♪

ならぬ、
とうさんがー♪状態です。


いやー、ミシンって本当にすごいです。
ギヤ駆動であんな複雑な動きを
寸分たがわず作動させるなんて!
まさに、最初に考えた人はすげーなーと思います。


上針が布を貫通するやいなや
ボビンが入っている釜が絶妙なタイミングで
回転し、上糸の輪っかにスルスルともぐりこみ
そのまま針が持ち上がる。

さらに、まっすぐ縫うだけでなく、
実にさまざまな縫い方を
ダイヤル一個で可能です。

これら全ての動きがギアとカムとアームで
1個のモーターの回転運動から作動するんですから、
いやー、まさに芸術的な機械です。



さて、
調子ついてどんどん縫い物をしていたわけですが、
先日厚物を重ね縫いしていた時、
ミシンをぶっ壊してしまいました。。。。。

ガガガガーーーーッ!!

ああ、なんか変だ!


異音と共に、下糸がうまく絡まなくなりました・・・


分解してみると
釜と針のタイミングが完全にずれてしまったようです。

妻に聞くと、
4万円以上するミシンだそう・・・


いやー、ミシンって意外に高いんですねぇ

なんとか直そうと試みましたが、
パーツが相当小さく、
家にちゃんとした工具もなかったので、
外装を分解した程度で
それ以上の修理は断念。

外装をとっぱらったミシンはまさにマシーンそのもの。

あ、そうそう
ミシンって英語でいうとソーイング・マシーン
そのマシーンの部分を
聞き間違えてミシンとなったそうです。
余談終了。

そんな精密機器のミシン。
こりゃ高いわけです。


そして先日
中央林間にあるミシンのとある修理屋さんに
ミシンを持っていきました。

対応してくれた店主様は
私よりもずっと先輩。
60歳代でしょうか?
まさに職人といった風防で
技術的なさまざまなお話や
今まで修理したミシンのさまざまなお話を
してくださいました。

昔のミシンは20万も30万もしたそうですが、
現在では1万円くらいから
ミシンが販売されています。

ただひたすらのコストダウン。
重要なパーツもすべてプラスチックに変わり、
安いのに、様々な機能がてんこ盛り。

しかし、
先輩曰く、
基本的な「縫う」という機能は貧弱になり、
生産もすべて海外、
安く生産できるようになった代わりに、
すぐに壊れる粗悪品を
一流メーカーの冠を付けて販売している。
そういう製品を見ると、
がっくりするんだよ。
コストダウン、コストダウン、コストダウン。
高くても良い製品は売れない時代だ。



整備士として
バイクのことしかわかりませんが
なんだかバイクにも当てはまりそうな
そんな話でした。


ミシンを修理に出す道すがら
車の中で
妻と話していたのは
横浜のマンション事件。
そして、ワーゲンの事件。

全ては原因は製品コスト。

日本の製品が世界で認められてきたのは
良い製品を誠実に作ってきたからです。

この魂を失ってしまったから、
マンションは傾き
いつかはワーゲンと同じように
もっと大規模な損失が発生することになるでしょう。


良い製品をひたむきに誠実に作る。


この魂だけは、忘れないでいて欲しいものです。



しかし一方で
マレーシアの高速鉄道導入で
中国に出し抜かれたのも、
イギリスが中国の原発導入を決めたのも事実。

とある中国系の企業社長が
「いい製品が売れるのではなく、
売れる商品が良い製品」
と言っておりました。

それでいいのか?

ま、

中国はそれで良いと思いますが、
日本は日本の良いところは
失って欲しくないと思います。

TPPが始まるようになると、
益々コスト意識は高まってくるのでしょうか、
なぜ日本の製品が世界に受け入れられたのか?
今一度考える時なのかもしれませんねぇ。


ミシン修理の大先輩。
ジャンルは違いますが、
ああいった職人になりたいなぁと
切に思います。

おしまい。

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