ちょっと小話をひとつ。
メキシコのある村に腕のいい漁師がいた。
漁師の捕った生きのいい魚を見て
ビジネスマンがどんな暮らしをしているか尋ねた。
漁師はのんびりとした口調で話し始める。
「ゆっくり寝てから漁に出る。
自分の家族が食べられる分だけとって、
戻ったら子供と遊んで
女房と昼寝をして
夜は友達と酒を飲むんだ。」
するとビジネスマンがおもむろに話し始めた。
「ハーバード・ビジネススクールでMBAを取った者として
アドバイスしよう。
君はもっと漁をして魚を売るべきだ。
お金がたまったら大きな漁船を買う。
儲かったら漁船を増やして工場を作る。
そのころには村を出て、
ニューヨークに住んで、
企業の指揮を取るんだ。
２５年くらいで億万長者になれるよ。」
すると漁師は興味なさげに、
ゆっくりとした口調で聞きました。
「そのあとは？」
よくぞ聞いてくれましたと言う調子で
自慢げにビジネスマンが続けました。
「ここからがすごいんだ。
引退して、海の近くの小さな村に住み
好きなだけ寝て、
釣りをしたり、
子供と遊んだり、
夜は友達と一杯やって過ごせるよ。
どうだぁ？すばらしいだろ！」
すると漁師が答えました。
「なんだ、それなら今と一緒だよ」
有名な逸話らしいですが、
私はこの話を知りませんでした。
「お金がなくても楽しく暮らす方法」
でユーチューブで検索すると、
この逸話を含んだお話が見れます。
ニートや引きこもり、
ちょっと古臭い言葉だと
パラサイトシングルなど、
働かない若者が多くなっているようですが、
そんな人たちに支持されている
逸話なんだだそうです。
「小屋暮らし」というのも流行っているようで、
いらないものを極限までそぎ落とし、
お金をかけず、半ば自給自足的な生活を送る
若者も多いとか。
逸話に出てくるビジネスマンのように
ホリエモン的な生き方も良しと思うし、、
一方で漁師のような生活も
なんだか憧れてしまいます。
ニートや引きこもりはやや問題もありますが、
そういった生活は長く続けることは
現実問題として不可能ですので、
年齢とともに解決する問題だ、
と私は思います。
彼らも、いずれ自分なりの解決策を見つけ出し、
社会とかかわりを持っていくことになるでしょう。
早いか遅いかだけの問題です。
問題は
ホリエモン的な生活が好きじゃないのに
競争を強いられる生活を送ったり、
競争社会の方がイノベーションが云々と語りたいのに、
競争が許されない社会に閉じ込められたりすること
何だろうと思います。
競争が好きな人はそういった世界で、
競争が好きじゃない人はそういった世界で
生きればいいんだと思います。
いろいろな世界の中で役割は必ずあるし、
その世界での成功というのもあると思います。
また、
極端なビジネスマンと漁師の話だけでなく、
その中間的な生活もありますし、
ようはその人の価値観の問題で、
自分らしく生きる、ということが
何よりも大切なんだろうと思います。
同時に、
ビジネスマンが漁師をバカにすることもなく、
漁師がビジネスマンをバカにすることもなく、
お互いがお互いのの生き方を認め合い、
AかBかと言うような対立構造を煽らないというのも
大切なんだろうと思います。
社会との関わりの中で、
自分らしく、生きたいものです。
今日は駄文です。
おしまい。
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