たまには、バイク屋さんらしく
バイクの話を一つ。
３速でギヤ抜けするというV-MAXがご入庫。
テストランしてみると
確かに３速でギヤ抜けします。
アクセルを開けて、トルクを掛けると
ガガガガガーーーーと
ドックから爪が抜け出るフィーリング。
と言うことでエンジン全バラに取り掛かります。
補機類を全て外して、エンジンを下します。
ミッションを先にチェックするため
クランクケースを２つに割ります。
↑ケース上側
↑ケース下側
ミッションとようやくご対面。
ミッションを取り外します。
問題のドック部分を見ると、確かにギア抜けしたあとが
はっきりとわかります。
じっくりとみてみると
シフトドラムが動いても
３速のドックにギヤがきちっと入っている感じがしない。。。
ドックのストローク量が明らかに足りません。
お客様に聞いてみると、
どうもミッションだけロイヤルスター１３００と換装しているようでした。
さて、ギヤの歯数をちまちま数えてみますと、
確かにロイヤルスターのミッションのようです。
シフトドラムとシフトフォークはどうもV－MAXっぽい。
しかし、確信はありません。
まず安い方のシフトフォークを
ロイヤルスター用に交換してみます。
右がロイヤルスター
左がV－MAX
やはり、シフトフォークの爪の長さが違います。
清水の舞台から飛び降りる気持ちで
シフトドラムも注文。
上がV-MAX
下がロイヤルスター
問題の３速部分のシフト量を測定
↑ロイヤルスターの３速部分。
こちらV=MAX２．４ｍｍほどシフト量が少ない。
この２．４ｍｍのシフト量の差で
ドックの入り具合が不足しているようです。
３速ドック部分に、ギア抜けして擦れた跡がはっきり。
こちらが新品の３速部分のドック。
摩耗して爪の部分が垂直になっている２速の爪
こちらが新品の爪部分。
外側に向かってテーパー形状になっています。
これは、トルクがかかった時に
ドックから抜けない方向にベクトルが向く仕組みです。
と言うことで
シフトドラム
シフトフォーク３本
３速カウンターギア
２速カウンターギア
の４点を交換。
クランクケース側を組んで
続いてヘッド部分に入ります。
シムの調整
アウターシムですので、特殊工具さえあれば、
カムシャフトを外さないで交換が可能です。
シム交換のための特殊工具。
今回新調しました。
と言うことで、
エンジンを車体に載せて補機類を取り付け
キャブの同調などを取ってから
テストラン。
ギア抜けもなくなり、
完調になりました。
政治とキャンプの話ばかりの
ザ・バイクマン日記ですが、
ちゃんとお仕事もしておりますよー
おしまい。
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