ガソリンがどのように燃えるのか
爆発したエネルギーがどのようにピストンに伝わるのか？
コンロッド
クランクシャフト
クラッチ
ミッション
ドライブチェーン
タイヤと
どのように動力が伝わるのか？
その過程で
どのようなトラブルが起こるのか？
考えの全ての中心は物理の真理です。
お客様のご希望の整備が
真理から外れていれば、
お断りするか、
理由を説明して
真理に即した整備をご提案します。
整備指示者が例え上司であっても
優先するのは上司の命令ではなく、
真理です。
したがって、
例えお客様でも、上司であっても
最終的にどのような整備をするかの判断は、
専門家である整備士に決定権があります。
しかし、
そのためには
整備士の国家資格を取り、
その範囲内での整備だけを行うという
大前提があります。
整備士が独自にエンジンを作って
かってに公道を走らせることはできません。
エンジンを開発したり、
ミッションを開発するのは
研究者であり、学者であり、
実験に次ぐ実験を繰り返し、
実用に足るエンジンを作ったら、
そのすべてのデータとともに
認可を申請して
許可されたものに限り
はじめて公道を走るエンジンができる。
整備士には
エンジンそのものを作ることは
直接的には許されていません。
整備士ができることは
あくまで整備だけです。
その範囲を逸脱してはいけません。
上記が整備士の流儀だと
自分では思っています。
これは私独自の考えではなく
武田邦彦先生の意見を元に
自分なりに考えた結果です。
武田先生の考えによれば、
専門家には
同様の流儀があります。
医者の場合、
医者が第一に守らなければいけないのは
患者の「命」です。
医者は患者を診断し、
治療を行う権限を持っていますが、
しかし、
独自の治療を開発してはいけません。
もし独自の治療が許されたとしたら、
とんでもないことが起こります。
「風邪をひいたときは
片腕を切り落とすといいだよ」
なんて、ことにもなりかねない。
したがって、
医者が出来る治療と言うのは
研究されたうえで、
認可の降りた治療方だけを行えます。
勝手に治療方を開発していけません。
命を最優先に捉えた上で
医師として最善の治療を行うわけですから、
医師は理事長の命令よりも
家族の意向よりも、
医師としての判断を優先させます。
しかし
それは認可の降りた治療方の範囲に限られます。
裁判官も弁護士も同様
自分で法律を作り出すことはできません。
法の範囲の中で様々な判断をします。
話をお医者様に戻します。
難しいのは民間療法です。
医師としての資格を持って上で行う民間療法は
許されるのでしょうか？
多くの民間療法には科学的根拠はありません。
末期のがん患者などが、
最後の最後にすがりつくような気持ちで、
民間療法を試すわけですが、
極例外を除いて、
ほとんどの方は、
そのままお亡くなりになります。
民間療法であるわけですから、
当然保険適用もありません。
完全なる自由診療ですから、
患者は10割負担です。
科学的根拠がなにもない治療法を
さも効果があるかのように唄っている
民間療法のホームページは山のようにあります。
医師としての洗礼を受けたものであれば、
なんの科学的根拠がない治療方は
行うべきではないのではないか？
と私は考えます。
それが専門家の流儀
なんだろうと思います。
もし、
新しい治療方を作り出したいのなら、
それは医師ではなく、
大学なり研究所なりに入って
学者や研究者になるべきです。
この専門家の流儀を外れれば、
社会は大混乱します。
医者は患者の片腕を勝手に切り落とすし、
裁判官や弁護士が勝手に法律を作るし、
教師は特定の思想を子供に教えます。
整備士は勝手にエンジンを作って公道を走らせます。
そんなことになったら、
もちろん、不幸になる人が増えます。
専門家はその専門の範囲を逸脱してはならない。
またまた余談の雑談。
武田邦彦さんの専門職に対する考え方は
下記URLでどうぞ
https://www.youtube.com/watch?v=QcFCr7s88Gk
